救急受診にした患者さんが、「1時間ほど前、血を吐きました」と来院。
あなたはこのあと、どのような問診を追加しますか?
吐いた血液の量、色、性状、他の症状、既往歴、内服歴などいろいろありますよね。
病棟で入院中の患者さんが血を吐いてしまった。
吐物、血液による窒息の防止、バイタルサイン測定、ドクターコールといった対応になると思います。
一般の方は、口から血を吐いた時点で、おおよそ「吐血した」「血を吐いてしまった」と言う表現で来院されます。
看護師はその「血を吐いた」というエピソードが「吐血」なのか「喀血」なのかアセスメントする必要があります。
今日は、「吐血」「喀血」のちがいについてお話しします。
吐血と喀血のちがい
血を吐いたと言われても、出血している部位によって、その後の対応が大きく変わります。
例えば、肺結核は空気感染予防が必要で、早急な隔離が必要です。
また喀血は気道から出血しているため、多量、持続する喀血は気道閉塞のリスクが高くなるので、吸引やモニタリングのできる場所への移動が必要です。
上部消化管出血からの吐血であれば、合わせて黒色便などの症状も出ている可能性もありますし、緊急内視鏡の検査、治療が必要になる可能性もあります。
どのようの問診するか
先ほども言ったように、医療者ではない一般の方は「血を吐いた」「吐血」したという表現をされることが多いです。
「喀血」というワード自体が一般的ではないかもしれません。
なので私は患者さんに問診するときは、「血を吐いたときは、嘔吐するように吐きましたか?それとも咳と一緒に血が出るような感じでしたか?」と聞くようにしています。
このような病的を聞くことで、性状や色、既往歴などに合わせて臨床診断の役に立てると考えています。
おまけ
第106回 看護師国家試験 午前112
喀血が起こる出血部位で正しいのはどれか。
1.頭蓋内
2.気道
3.食道
4.胆道
正解 2.気道
まとめ
患者さんの訴えだけで、看護師が判断、診断するわけではありません。
しかし、看護師が病態やリスクを考えることで、迅速な対応につながります。
患者さんの訴えを、さらに医学的に変換し捉えることが重要です。